りげんどうの日々

左官

続々と、搬入

2011年8月21日


雰囲気のある什器。

什器を置いている部屋の、工事終了間もない頃の様子。

      四月の解体時はといいますと、

荷物を撤去するところから始まり、

もとは和室で、畳が敷いてありました。

畳をはいだ後の様子。

そして、視線を左に向けて、前回も登場したこちらのお部屋。

ほんの数週間前に、急きょ、仕切りを作っていただきました。

こちらが、同じく、四月の解体時の様子。

大工の坂本さんにボードを貼っていただき、


◇◆◇
完成後は、加古川からお越しになった左官の品川さんに漆喰を塗っていただきました。


こちらのきれいなカーブは、

こうしてつけられたもの。

こちらが道具です。ぎゅっと彎曲させて。

あとは、こてで処理。

漆喰の上塗りが終わってほやほやの様子。


◇◆◇

ほぼ同じ角度から撮影した、4月の解体時の様子。

この後、必要な柱を残して、ほとんどのものは取り外されました。

独逸壁(掃き付け仕上げ)

2011年8月18日


独逸壁仕上げをして下さっているのは、品川博さん。

この度、大和塀の基礎と、

仕切り塀を、独逸壁に仕上げいたただきました。
仕切り塀には墨を入れて、ねずみ色の独逸壁になっています。

担当してくださったのは、品川さん御一家。
今回は、親方以外のお三方が、再び兵庫県加古川からお越し下さいました。


写真中央の壁一枚の壁を塗るのと、

仕切り壁を塗りに、現場に再びお越しになったのですが、

塀ができたり、全体的に調和していくと、大和塀の土台部分が目立ってきて、

設計士の渡部さんが、品川さんにご相談。

材料があること、限られた時間の内で仕上がるという理由から、独逸壁をご提案いたさきました。

ささらは、見学にいらしていた富沢建材の冨澤社長が、

調達してくださいました。この度も大変お世話になりました。

ささらの目処が立ちましたので、早速作業に取り掛かられました。

その奥で、冨澤社長と渡部さんが嬉しそうです。

ペンキをはいだり、

補修をしたり、

面の掃除をして、時間的なことから判断を下され、

接着剤のシーラー塗る作業に入られます。

塀に飛ばないように養生をして、

ネットを切る作業へ。ここまでとてもスピーディーな連携作業です。

そして、清志さんがネットをふせこみながら、接着剤を混入したモルタルを下塗り。このあと、掃き付けるモルタルがつきやすいためです。ネットは、補強のため。

ネットが見えないよう、モルタルを塗ります。

独逸壁仕上げ後、その隙間からネットが見えないように。

博さんによる、掃き付けが始まりました。

その横で、ネットを貼る作業が同時進行で行われています。

  

呼吸の合った、連携作業です。

掃き付けは瞬く間に進んでいきますが、

ネットを隠す作業も同時に速やかに。

下地が乾いてしまうと、掃き付けたモルタルがくっつかないため、
時間を争う作業です。

博さんの後を、次は清志さんが追って。

隙間を埋めるように、掃き付けていらっしゃいます。

終わった後は、

養生に飛んだ部分をきれいに掃除して、乾くのを待ちます。

掃き付けが終了した途端に、大粒の雨が降ってきたため、

大急ぎで、養生をおろして、雨から仕上がった壁を守ります。

◇◆◇
そして、どしゃぶりの中、仕切り壁への作業へ。
ねずみ漆喰仕上げが、急きょ、ドイツ壁仕上げに変更になりました。

先日、ブロックを積んでつくられた仕切り壁。

ブロックを積んだばかりでしたので、ヒビが入る可能性があったため、

午前中に、樹脂を混ぜたモルタルで全体的に下塗りをして、
グラスファイバーで補強し、

その上から再度、モルタルを塗った状態で、置いてありました。

狭い所はいつも清志さんがご担当。

清志さんの手が見えていますが、

ここから先は、福太郎さんに託されます。

壁につかないで向こう側へ無事移動。

こてが使えないので

手にビニールを巻いてセメントを塗られています。

こてで表面をならして終了。

清志さんいわく、「正解の処理」だそうです。

ねずみ漆喰用に下塗りがされていましたが、
同じアルカリ性で対応できるということで、独逸壁仕上げになっても問題はないそうです。

墨を混ぜて、塀の基礎幅木と住み分けをしてあります。

掃き付けが接着しやすいように、一度モルタルを塗ります。

そして、乾かないうちに、掃き付けます。初めは、博さんと清志さんで。


その後は、清志さんと、福太郎さんで、隙間を埋めるように掃き付けます。



小さい粒を掃き付ける時は、こて板に薄く、モルタルを敷かれるそうです。

ここで、子供サイズくらいの小さいこて板が登場。

博さんが狭いところを担当されるようです。


上から見たところ。
とても狭いところですが、視界に入るところですので、同じように仕上げてくださいました。

雨も上がって、養生を取ると、

  

独逸壁が顔をだします。

その周りには、

出来上がった塀を見つめる方と、

細かくチェックする方の姿が。


苔が上がったりして、徐々に雰囲気がでてくるそうです。

 

◇◆◇◆
垂涎ものの、清志さんの こてコレクション リターンズ。

光にあたって、きれいなこて。

これは一体何から作られたこてでしょう。

  

真中を打ち出してあります。

清志さんは、細かいところ、手のかかるところを担当されていました。

出来上がった壁の向こうでなにやらされています。

壁の補修をしてくださっていたようです。

真中にある、小さく点になっているのは、削れたところを直していただいた所。
今後補修ができるように、漆喰を置いていってくださいました。

品川さんご一家には、限られた時間の中で、いろいろ難題をお願いして、
たくさんのワザや、見事な連携を見せていただきました。

道具とお仲間、最終日にひと仕事

2011年7月27日


清志さんの自慢の道具です。

   

   

垂涎もののこてがズラリ。

細かい部分、神経を使う部分は清志さんがご担当されていました。

お手入れ中です。    

休憩時間には、見学に来られた左官さん方と、道具談義に花が咲きます。

記事で触れていなかった道具について。

こちらは木で作られた木ごて。

裏に模様がなくても、ざらつきを出せます。

脚立は必須アイテムです。

  

目地こてのお手入れ。

錆びがきていたこてを磨きます。

錆びがある面と、磨いた面。

どちらのこてを使うかで、角の仕上がりが変わります。

体重計できっちりと材料を計ります。

ねずみ漆喰を作る時に使った豆腐のケース。

漆喰やセメントの練る量が少ない時はこちらを使います。

刷毛をひっかけるもの。

ピストルのようなこて。

お手入れを待つ道具たち。

お手入れ中のこて。  

常にこての向きは同じ。 

バラバラの方向で置かれているのを見たことがありません。

ワイヤーブラシは博さんが考案されたそうです。

とても来客の多い、品川一家でした。

たくさんの方が見学にいらっしゃいました。

富沢建材の富澤社長は録画と、撮影をされています。

いろいろお世話になりました。

鈴木先生。

東京在住の左官 田中さん。

田中さんより福太郎さんへプレゼント。手作りです。

こちらも東京在住の左官 中村さんとこし石さん。

練習用の材料をおすそわけです。

この建物が、引き続き、たくさんの方に愛されますように。

そして、ゆくゆくは消えますが、目地が目立つので、

お帰り数時間前、

この壁の上塗りを大英断。

上塗りが終わり、

道具の積み込みです。

コンパクトに納まりました。

最後に塗られた壁。一時間くらいで、すでに、ねずみ色になりつつあります。

品川一家が滞在されていた日々は猛暑が続き、扇風機も大活躍しました。

◇◆◇
上塗りから20日近くたった、2階の漆喰の壁。

すでに、いい味をだしています。

また、新たにできる壁一枚を塗りに、8月初旬に
上京されることになりました。